Google、ChromeのHTTPS南京錠アイコンを廃止へ、意味が誰も分からない

アンドリュー・カニンガム - 2023 年 5 月 3 日午後 5 時 51 分 UTC

過去 10 年ほどにわたる Web セキュリティの最大の進歩の 1 つは、安全な暗号化された HTTPS 接続の普及です。 ショッピング サイトや銀行サイトに普及して以来、HTTPS 接続は例外ではなく標準となり、パブリック ネットワークや安全性の低いネットワーク上にある場合でも、認証情報やデータの多くが傍受されないよう安全に保たれています。

Internet Explorer に至るまでのブラウザでは、接続が HTTPS を使用していることを示すために小さな南京錠のアイコンが使用されてきました。 しかし、Chromium ブラウザ エンジンの開発チームによると、ほとんどの人はその南京錠アイコンが実際に何を意味するのかをまだ知りません。 この混乱と、現在ほとんどのサイトで HTTPS が期待されているため、Chromium では、Chrome インターフェイスの大幅な更新に伴い 9 月にリリース予定の Chrome 117 から南京錠アイコンを廃止します。

Chrome セキュリティ チームの Chromium ブログ投稿には、「鍵アイコンを中立的なインジケーターに置き換えることで、鍵アイコンがページの信頼性に関連付けられているという誤解を防ぎ、セキュリティが Chrome のデフォルト状態であるべきであることが強調されます」と書かれています。

Chrome のデスクトップ バージョンでは、南京錠アイコンが「チューニング」アイコンに置き換えられます。これは、多くの設定画面で表示されるトグル スイッチを表す、いくつかの円と数本の線です。 [調整] アイコンをクリックすると、サイトの HTTPS 証明書に関する追加情報に加えて、通知や位置情報の共有などのその他のサイト固有の設定も表示されます。 これらはすべて、現在のバージョンの Chrome で南京錠アイコンをクリックすることでアクセスできるものです。そのため、鍵アイコンは変わりますが、メニューの機能は変わりません。

「私たちの調査では、多くのユーザーが鍵アイコンをクリックすると重要な情報やコントロールが表示されることを全く理解していないことも判明しました」とブログ投稿は続けている。 「新しいアイコンは、ロック アイコンを悩ませている誤解を回避しながら、アクセス許可の制御や追加のセキュリティ情報をよりアクセスしやすくするのに役立つと考えています。」

Chromiumチームは、サイトがHTTPSを使用していない場合、Chromeは引き続きアドレスバーでユーザーに警告すると述べている。 Android 版 Chrome にも新しい Tune アイコンが追加されますが、iOS および iPadOS 版 Chrome では、現在のクリックできない南京錠アイコンが単に削除されるだけです。

現在は Chromium エンジンが優勢であるため、この変更は特に重要です。 Chrome はインターネット使用全体の約 3 分の 2 を占めており、Microsoft Edge や Opera などの Chromium ベースのブラウザを含めると、合計は 80% 近くになります。 良くも悪くも、Google の変更は他のブラウザのデフォルトになる傾向があります。 ほとんどの Chromium ベースのブラウザに加え、Safari や Firefox などの代替ブラウザも近い将来同様の変更を加えると予想されます。